事業者外部(報道関係)に対する公益通報


 私は諸般の理由、経験から報道機関に対する公益通報、内部告発をおすすめ致します。

はじめに

 私が最終的に行った公益通報です。
 通報先は報道関係、消費者団体が代表的です。事業者外部に通報(外部通報)するには、外部通する場合の厳しい要件が科せられます。
 公益通報がいわゆるガセネタであったり、害悪の意思、不正の目的、不正利益を得る目的で行われた場合など、そのような状況で労務提供先、勤務先が報道などで公知されたら取り返しのつかないことになります。仮に後で事実、真実が判明し、公益通報自体の信憑性が失われたり、不正目的だと判明しても、有効な代替措置は難しい。社会における信用回復なども難しい。これらの理由から事部に
対する公益通報には厳しい法律上の要件が規定されています

          

                                  
外部事業者(報道機関など)に対する公益通報の問題点

 外部事業者に対する公益通報を行う場合の要件が非常に厳しいのです。例を挙げれば

・発生もしくはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認めらる者かつ、....の要件。
・通報要件の まさに 生じようとしているとの要件

               公益通報者保護法 3条3号の要件イ〜ホを良く読んでください。
例えば、第3条の保護要件イ、ロの「.......相当な立証はどのようにするのでしょうか。公益通報者側からは困難だと考えます。更にハの「......要求された場合」私は確実な証拠を有して公益通報妨害として主張していますが、一般的にあからさまな要求をされることは少ない。むしろ、暗黙の圧力、正式な配転、転勤にすり替えて、実質的な不利益対応(処分ではない)を行うことが多いと考えます。
 公益通報者保護法を有効に運用するには、一般的保護要件を追加するべきである。と私は強く問題点を提起しております。すなわち、外部通報における要件が厳しいのは、公益通報された場合、労務提供先に与える影響が大きく、取り返しのつかない状態に陥るため、要件を厳しくし、構成要件該当事案に対して、限定的に事業者外部への通報を認めたものです。
 しかしながら、例えば、要件ホの急迫した危険があるとの判断は、一般的に判断が難しく、生命身体に対する公益保護は生じる結果、影響の重大性から広く保護され、予備的にも保護することが極めて重要である。以上から、生命身体を保護法益とする場合、時間的な制限や、急迫の制限を要件として規定するのは妥当ではないのです。本来ならば、一般的保護要件を追加すべきと考えます。
通報対象事実の社会的影響、違法性、悪質性、危険性、急迫性、行政の対応、労務提供先の対応などを総合的に評価し、外部事業者に対する公益通報が妥当性を有する場合は、外部通報を認め、広く公益通報を保護すべきである。事業者外部に対する通報が妥当か否かの判断、立証は困難ですが、公益通報者のおかれた環境等を斟酌し、事業者外部への通報が妥当なら、公益通報者を積極的に保護すべきと考えます。
 
 現在規定されている法律上の要件は、訴訟に至った場合を想定すると、公益通報者が個人の場合などはその立証が極めて困難と考えます。従って事業者外部に対する通報要件、3条3号イ〜ホを労務提供先とのバランスを考え公益通報者保護に重点を置き、要件を改正、または削除するか、一般的保護要件を追加することが妥当と考えます。


事業者外部に対する公益通報の留意点、注意点

これから記載することは、ある面から見れば、公益通報者保護法を完全に逸脱します。しかしながら、私が過去に行った内部告発、公益通報から得た、いわば、実戦的経験、多くの事案に接し、相談を受けたからこそ主張し得る事。 この点をご理解下さい。公益通報者の経験的視点です。
 

基本

1.報道機関の社会的意義は、社会的に問題とされるような報道価値のある事実、事案などを新聞、TVその他の活字媒体、インターネ
  ットなど、各種の報道媒体を使用し、情報を広く社会に公知することにある。
2.報道機関が重視することは、報道の根底にある事実、事案が証拠(物的、証言..)により真実であることの確証がとれるか。
3.報道対象となる事実が、社会的に影響を与える事案であり、報道に値するか。
4.報道対象の事実に対し、現在の社会的潮流、問題意識、話題性その他、諸般に報道が合致、許容されるか。
5.他の報道機関が既に報道したか否か。
                                                 あくまで大筋です。

では公益通報を行おうとするあなたに質問ですが、公益通報者保護法の事業者外部に対する厳格な要件は報道機関の大筋に当てはまるものはあるのでしょうか。たった一つだけです。確実な証拠です

マスコミの特質

報道機関(新聞、週刊誌、その他の活字媒体、ネットなど)は

1.公益対象事実の社会的影響が大きい場合(話題性なども含めて)
2.社会的に看過しえない悪質性、違法性などを持つ場合、もしくは非常に大切な倫理観に抵触するような場合。
3.公益通報対象事実を発生させている労務提供先、勤務先が国民、社会に対して大きな影響を有し、特に公共的側面を持ち
  ネームバリューが大きい労務提供先の場合。(例えば、政治司法関係、病院医療、大学などの教育関連施設など。)
4.国民の重要な利益に関わる場合。時に生命身体に関する事案。
5.他の報道機関が報道していない場合。

        以上の条件に該当する場合は、公益通報対象事実に対する報道の可能性が高いのです。そして
       マスコミの、取材源秘匿(情報源を漏らさない)は非常に強固である。行政よりも数倍信用できる

 

 
あなたの持つ公益通報対象事実が上記1から5に該当し、客観的にも通報対象事実 を裏付ける証拠価値が高いのなら、公益通報者保護法などを考えず、マスコミに内部 告発する。

公益公益通報ではなくあえて内部告発としました。経験上、有効な方法だと考えます。

公益通報者保護法は公益通報を行おうとする者、公益通報者を有効に、安全に保護してはくれない。残念ですが現実なのです
 

事業者外部に対する通報、内部告発は

1.報道機関の公知力は行政の改善、指導力などをはるかに超える。(国民に広く公知される)
2.報道機関を介在させる事により、公益通報元の確実な情報秘匿が可能である。

  
 公益通報者視点で考えると公益通報者がまさに求めることが事業者外部に対する通報で可能になります。悪い言い方をすれば、確実な証拠があれば、公益通報の目的を達し、しかもバレナイ。要は悟られないようにする。
                       反面から考えれば、実に悲しいことです。

取材源の秘匿は憲法(表現の自由)から派生し、報道の自由の中核をなすものです。公正な裁判の実現の為に必須と認められない場合には証言を拒絶しうる。確実な判例も多数存在します。
取材源を明かしたなら、それこそ、その報道機関、記者は終わりなのです。全ての報道機関には共通の認識と、厳しい仁義というものがありこれこそが取材源の秘匿です。行政とは比較になりません。
 
本来ならば行政こそが情報源を守り、適切な対応をしなければならないはずなのですが、多くの経験、事実は行政の公益通報に対する不適切な対応。特に情報漏洩、不作為的な態度に悲しい現実が見え隠れします。 


従って、わたしは諸般の事情から、確実な証拠があり、虚偽、不正目的などが無い場合は積極的に報道関係者を紹介しております。
特に、医療不祥事、隠蔽、生命身体に直接関係し、至急性がある場合などは、報道を公益通報の主体とすることは良策です。
 
報道関係者との接触

非常に曖昧な表現ですが、一般的に知られている大手新聞、週刊誌などの活字媒体メディアにおける取材源の秘匿には信用性がおけます。以下の点にご留意下さい

1.担当記者との信頼関係を築く事こそが最重要であるそして事実、証拠が重要となる。報道機関はあなたの考えを問題にし
  ているわけではない。

2.公益通報対象事実に対する情報は、いかなる場合であっても他社、他人に漏洩してはいけない。
3.担当記者の実績、考え方をネットなどで調べ、かつ直接面談した上で公益通報者の視点から自身が抱えている問題を正直
  に伝えること。
4.公益通報対象事実に対する記者のとらえ方、考え方、対応をしっかり見据える事。
5.担当記者には公益通報者に不利益処分が無いことを最優先とすることを確実に伝え理解してもらう事。